桐生西高校野球部OB 荻野 恭大選手

ベスト8進出時のエース・荻野恭大選手「『桐生の誇りだ!』の言葉は忘れないです』

16年にエースとして桐西をベスト8に導いたのが荻野恭大投手。現在は地元のBCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサスで現役を続けている。

小中はレギュラーではなかったという荻野投手は桐西で活躍の場を築き、いつしか県内注目の投手へと駆け上がっていった。

そして高校最後の夏にスタンドからかけられた言葉が今も胸に刻まれていた。

「活躍できる高校で、しっかり試合に出て野球人生を過ごしたい」

私が入学したのは2014年。投手をやりたくて、春夏秋冬関係なくピッチングをやっていたいタイプの選手なので、1年生から投げさせてもらえるという話を聞いて桐西を選びました。

まずは自分が活躍できる高校に行って、しっかり試合に出て野球人生を過ごしたいなと考えていました。

なので練習ではピッチングが一番自分の中でも楽しい練習でしたし、ほとんどピッチングにかけてたような生活でした。

他にももちろん走り込みもしましたし、他校と合同練習する中でいい意味で楽しくもきついトレーニングをしていました。印象的なトレーニングは、副顧問の先生が自転車に乗って坂道を押して上がるトレーニングがありましたね。

3年生の時にベスト8に行けたのですが、自分の代で一回戦負けは絶対に嫌だったので、もう勝ち進めるところまで勝つ気持ちで臨みました。

あとは群馬県で注目される投手になれたので、注目されることがすごい嬉しかったです。注目された分結果も出さなきゃいけないなという強い意志が出てきたので、勝てるだけ勝とう・ 自分が投げるだけ投げようと思って。

当時から投げることが好きだったという

「桐西は挑戦者という立場で臨んだ」

ターニングポイントは、2年生の秋に桐商と対戦して負けた試合があって。ベスト16を争う試合で同じ桐生のチームと対戦して負けてしまった。

相手投手もクラブチームで一緒だった選手で、スピードボールを投げる同じタイプでしたし知ってる選手というのもありました。負けて本当悔しかったですし、次リベンジしたい気持ちが強くなりました。

そこからもう次の夏に向けて、もう悔しい思いをしないようにと、さらに熱が入りました。

夏の大会では1勝して喜びはもちろんあったのですが、すぐに次の試合が来るので余韻に浸らずすぐに次の対戦に向けたデータの確認やミーティングをして気を抜くことはなかったです。

我々桐西は挑戦者という立場でしたので、1試合1試合全力で戦うだけだと思っていました。当然勝ち進むたびに相手も強くなっていって自分たちの実力が試されていきましたね。

ただ、自分の中では対戦相手がどこだろうと同じ気持ちで戦ってたので、やってきたことを出すしかないと。

たくさん応援の言葉をかけていただいて本当にありがたかったですし、その期待を裏切らないように全力で投げるだけと思ってやっていました。

1戦必勝でマウンドに上がり続けた

印象に残っているのは初戦の前橋西高戦です。当初は自分が先発予定じゃなかったんです。ですが、他校の状況とか鑑みて当日の朝にやっぱり荻野で行くと(笑)。

びっくりしましたけども、投げるのは好きですし初戦先発できたらいいなと思ってはいたので、内心『よっしゃ行くぞ!』とすぐ気持ちが入りました。

結果2ー1で勝ったのですが、2本のタイムリーを打って9回まで投げてと投打で活躍できた試合だったので、自分の中では一番頑張れた試合だったと感じています。

スタンドから確かに聞こえた『お前たちは桐生の誇りだ!』

地域の方に言われて一番心に残っているのが、夏最後負けて整列していた時でした。挨拶してベンチ前に戻っていくときに、スタンドから『お前たちは桐生の誇りだ!』って声が聞こえたんです。

普段スタンドの声は集中してしまうと聞こえないのですが、あの時は負けて気が抜けて人前で涙も流してる中でその声が聞こえた。さらに涙出てきた感じでしたね。

たくさん応援の声をかけてもらって嬉しいですが、一番印象に残っているのはその言葉ですね。どなたが言ってくださったのかもわからないです。 スタンドのどこから聞こえたかもわからないですけど、確かに聞こえてきました。

あとは“球都桐生”という話ですと、自分もセレモニー行かせてもらいましたが、桐生南高校のところにできたラボは、本当にすごい施設です。

ラプソードを使っての打球速度も測れる場所はなかったと思いますし、その桐生でそういった施設ができたっていうのは、とても大きなことだと思いますし、野球をやってる子たちは、ワクワクする施設ですよね。

桐西で得ることができた「野球の楽しさ」

桐西で得られた一番の経験は野球の楽しさです。 小学生から野球はやってますけれども、あまり実力がついてこなくてスタメンでも出れない日々でした。

中学に上がって自分がメインのピッチャーになれるかなと思ったのですが、ボーイズから1人入部してきた選手が、少年野球の時のエースだったので自分たまに投げる程度でした。

桐西で野球の楽しさに改めて気づけた

なので正直小中は苦しいことの方が多かったのですが、高校では1年生からベンチ入りさせてもらって、試合も出してもらって経験を積めた。その時、自分が必要とされているんだ感じられたと言いますか、試合に出て活躍できる場面が増えていきました。

桐西での経験を通じて、改めて野球ってすごく楽しいなと思えることができました。なので野球の楽しさを高校時代で知れたというのが大きかったです。

今群馬ダイヤモンドペガサスで続けていますが、プロとしてプレーしている姿を県内でお見せできるので、ぜひ観に来ていただきたいです。生で見ると迫力が違いますし、面白さがいっそう伝わると思います。ぜひ、野球やるきっかけにしてくれたら嬉しいです。