シンポジウムは古田敦也氏らが登壇!球都から野球界の未来を語り合う

9月21日、美喜仁桐生文化会館シルクホールにて「球都桐生ウィークシンポジウム2026〜球都桐生から野球の未来を考える〜」を開催しました。
毎年野球界そしてスポーツ界の著名人を招いて開催されるシンポジウム。今年は古田敦也氏(元ヤクルト)、梅原美樹氏(球心会)、トクサン氏が登壇し、豪華対談が行われました。
前半は古田氏による基調講演でスタートし、プロ野球選手になるまでをテーマにアマチュア時代のエピソードを披露しました。
野球との出会いから立命館大4年生時のドラフト指名漏れ時のエピソード、そして「絶対にプロに入る」と心に誓いトヨタ自動車を経て晴れてヤクルトに指名されるまでに至った話をユーモアを交えがら展開した古田氏。
なぜ捕手を務めることになったのか、母親と交わした会話でどう心が奮い立ったのか、そしてなぜ“諦めなかったのか”。
若い世代に諦めない大切さや己の可能性を信じる必要性を、自らの歩んできた人生を通じて発信しました。


そして第2部はシンポジウム「球都桐生から野球の未来を考える」です。
登壇者は古田氏に加えて「公益財団法人球心会」の梅原美樹氏、人気野球YouTubeチャンネル「トクサンTV」でお馴染みのトクサン氏。モデレーターは荒木重雄氏(株式会社ノッティングヒル代表取締役)が務めます。
まずは野球の魅力について古田氏とトクサン氏が語り、両者共に「団体競技で選手そして応援してくれる方みんなで喜びや悔しさを分かち合える」ことを挙げ、さらに古田氏は捕手らしく「間合いがあるので駆け引きや頭を使ってできるスポーツでもあります」と答えます。
そんな魅力がたくさん詰まった野球ですが、長く叫ばれている競技人口が減少しているという課題についてディスカッションします。梅原氏は「球心会でも課題に上がっている」とし、ボール遊びが公園でできない・経済面での負担などを今も議論をしている最中だといいます。


古田氏はそんな現状がある中、数々の光そしてチャンスであることを示しました。
「今日本人が“助っ人”としてアメリカで堂々と活躍しています。日本人選手も世界に誇れる人材だと思っています」とし、「東京一極集中と言われる中、今地方創生の時代がしなきゃいけないという時代が来て、逆に言うと今チャンスだと思うんです。 我々は公園でどうぞボールで遊んでください。 野球もサッカーもできて子どもたち住みやすいですよというのは土地があるからこそできると思うので」と私見を述べました。
また、古田氏が語った日本人選手がMLBでも通用する選手が増えた理由。それは“インターネットの普及がある”と分析します。技術のみならずトレーニング、食事などプロ野球選手から教わるさまざまな情報がスマートフォン1つで入手できる。それが高校野球でもプロ野球選手に引けを取らない選手が現れると語ります。
それを受け、子どもから大人の野球人を魅了する情報を発信しているトクさん氏は、2016年からトクサンTVを運営する中で、ある課題が見えていることを明かします。それは、「情報に頼りすぎる子どもたちが増えたこと」
情報は大事であるが「何より練習することが大事」と、アウトプットの重要性をここで説きました。


その後は「○」「×」のパネルを用意。野球界で大きな議論となっている「高校野球7イニング制に賛成か反対か」。
3人一斉に上げたパネルはいずれも「×」。まず、トクサン氏と梅原氏がその根拠をそれぞれ語りました。
「不思議と三の倍数と野球は関わりが深いと思います。アウトカウントもそうですし、三振もそうですよね。加えて高校野球でも指名打者(DH)制度を導入しましたが、その理由は選手の活躍の機会を増やすことが目的だったと思うので、7イニングにしてしまったらむしろ出番が減ってしまいます。なので×を挙げました」(トクサン氏)
「私たちは選手ファーストで議論してほしいなと考えています。その上で個人的に述べさせてもらうと、“七転び八起き”と言いますか、逆転が好きなので野球らしい逆転のドラマをたくさん見たい思いがあります。高校球児たちがたくさんのドラマを生み出すチャンスがあった方がいいなと考えています」(梅原氏)
そして古田氏も「反対です」と即答。国際大会やアメリカの高校野球の現状についても触れながら、日本野球の裾野の観点で自身の意見を語りました。
「日本の野球は高校野球にも支えられています。 高校野球が廃れると大学野球も廃れてプロ野球も廃れる可能性があります。 その高校野球の人気を保つ意味でも、僕は逆に九イニングは保ってほしい。
“筋書きのないドラマ”・“甲子園には魔物がいる”といった伝説が生まれるからこそ、見てる方は興味を持ってくれます。なのでその点も含めて言うと、やはり9イニングは維持してほしいと僕は思っています。


その後も多角的な議論が展開されたシンポジウムは1時間が瞬く間に過ぎ、大盛況のまま終了。最後にそれぞれがこの日参加した約1400人の桐生市民にメッセージを贈り、今年の球都桐生ウィークのフィナーレを迎えました。
「今日学生の皆さんもたくさん来てくれていますが、野球界を担っていくのは間違いなく君たちです。みんなも必ず年を重ねて大人になります。 その時に社会を担っていく使命があります。
今は中堅の我々がしっかりとこの野球界がいい方向に行けるように微力ですけど頑張るので、なんとかバトンを受け取ってこれからの野球界のため、さらに自分たちの子供たちの世代のために頑張ってほしいです。そういう想いが日本の野球の素晴らしさとして残る未来があると思っていますので、よろしくお願い致します」(トクサン氏)
「世界中の人たちが驚くような選手が出てくるため何をすべきかを考えると、やることはすごいたくさんあると思います。私たちは皆さんワクワクするような取り組みを通じて、たくさんの人や組織をつなげて物事を推進していけるように頑張っていきたいです。50年そして100年後に『あの時言ってたものが実現したね!変わったよね!』となるように今動いていきたいなと思っていますので、皆さんの力もぜひ貸していただければなと思います。」(梅原氏)
「僕は指導者を増やしたいんですよ。 野球やったことないけど指導できるという人を。中学生の子をモチベーションアップするための方法も今は確立されてるのでそういう指導者が出てきて、『野球はやったことないけど私強くすることができます』 という人が本当に出てきてほしいんですよ。
地域の人にも応援してもらって、みんなで盛り上がっていくという姿を、そういう人たちがゼロから作っていくことができたらすごくいいと思って。 しかも僕はできると思うんです。 チャンスあると思ってます。 だからそうなってくる人たちが、もし動き始めるとなれば僕も応援したいと思ってますんで、そういう未来が来ればいいなと本当に思ってます。 ぜひ桐生からいきましょう!」(古田氏)






